旧・長崎県外海町(そとめちょう・現長崎市の一部)
旧・長崎県外海町は県西部にありました。2005年(H17)1月4日に長崎市、伊王島町(いおうじまちょう)、香焼町(こうやぎちょう)、三和町(さんわちょう)、高島町(たかしまちょう)、野母崎町(のもざきちょう)と合併して長崎市になりました。
西彼杵(にしそのぎ)半島の中ほど西側にあり、西には東シナ海が広がっています。
車では長崎市中心部からは約30分で着きます。
外海町にはキリシタンの歴史に関する史跡が数多くあります。
特にフランス人宣教師ド・ロ神父は1879年(M12)に外海の出津に赴任されてからは地域の人々の魂と肉体を救うために活躍されました。
教会の建設はもちろんですが、生活の向上のためにパン、マカロニ、そうめん、織物などの授産事業を始められました。
写真はド・ロ神父記念館です。元鰯網工場の建物でした。1885年(M18)に建てられました。
当時としてはモダンな洋風の建物でしたが、傷みが激しくなり、2002年(H14)に写真のように改修が行われ、現在の姿となっています。
行った時は合併後半年が過ぎていましたが、看板は「外海町立」のままでした。
写真のシスターが迎えてくださり(結構、有名人らしいです)、バックにあるオルガンを弾いてくださり、「慈しみ深い」を讃美してきました。
写真はド・ロ塀です。
現地にある看板には…
ド・ロ塀
「この石垣は当地方在石の結昌片岩を、アマカワ(砂、シックイ、赤土)で接合し築いたもので、アマカワに砂を混合した点に、ドロ塀の特徴がある。
外海町教育委員会 」
と書かれてあります。
写真は出津(しつ)教会です。1882年(M15)に建てられました。
下の写真のように、このあたりは海が見渡せる場所にあり、風が強いところです。
台風の影響を避けるために教会としては屋根が低くなっています。
2回の増築が行われ、現在の姿となっています。
近くには遠藤周作文学館があります。クリスチャン作家としても有名で、小説「沈黙」は外海が舞台となっています。
そのそばには「道の駅・夕陽が丘そとめ」があり、そこからの東シナ海の眺めは絶景です。
左上の写真は南南東側で長崎県本土最南端の野母崎(のもざき)が見えます。中心より若干左側に伊王島も見えます。
右上の写真は西南西側で名前通りに夕陽が見えます。
左下の写真は西側です。正面の白い建物が遠藤周作文学館です。右側にかすかに五島列島が見えます。
右下の写真は北西側です。
写真はクリックすると拡大します。
また、北側には出津教会をはじめ、ド・ロ神父記念館などが見えます。写真はクリックすると拡大します。
少し離れた黒崎地区には祈りの岩があります。
現地にある標識には…
祈りの岩
「潜伏キリシタンがオラッショを唱えるために集まった岩」
と書かれてあります。